客員研究部門

国立大学法人東京大学と独立行政法人日本原子力研究開発機構は平成20年4月8日に締結された「国立大学法人東京大学と独立行政法人日本原子力研究開発機構との間における連携協力の推進に係る協定書」に基づき、計算科学研究に係る協力をより一層密接に連携して推進するために、平成23年1月31日に「国立大学法人東京大学と独立行政法人日本原子力研究開発機構との計算科学研究協力に関する覚書」を締結した。以来、計算科学研究の発展と原子力に係る技術課題の効率的解決を図ることを目的とし、人工物工学研究センターとシステム計算科学センターが日常の研究活動において、頻繁かつ広範に交流することにより、相互の研究開発能力及び人材を活かす組織連携型研究協力を推進している。

具体的には、(1)計算科学の新たな学術体系・技術基盤の構築と原子力計算科学への適用展開に係る研究協力及び情報交換、(2) 研究人材の育成、(3)研究者交流の促進について、奥田教授(併任)、沖田准教授と協力し、原子力機構の6名の客員研究員(谷正之、武宮博、町田昌彦、西田明美、板倉充洋、山田進)と共に、推進している。平成24年度途中より、客員研究部門に参画している。

人工物工学と計算科学の融合的研究

計算科学研究は、コンピュータを活用して物理現象の予測や人工物設計の支援、またデータ等の処理の効率化技術等を開発する研究である。近年のコンピュータ性能の飛躍的な向上により、従来は不可能であった複雑な現象の推定なども可能になり、気象予測、遺伝情報解析、航空機設計など広い分野で応用が進みつつある。このため、各国とも産業競争力向上のための戦略技術として計算科学研究の振興に多大の努力を払っている。

特に原子力分野では、放射性物質や核燃料を使用するため、実験に多大な費用を要することから、研究開発を効率化するために計算科学の活用がますます重要になっている。このため独立行政法人日本原子力研究開発機構(原子力機構)は、各研究部門の研究に計算科学を活用するととともに、システム計算科学センターにおいて最先端の計算科学技術を開発し、原子力研究に活用する研究を進めてきた。一方国立大学法人東京大学(東大)は、幅広い学術分野において、計算科学を活用した基礎基盤研究を展開している。そこで、共同研究課題として「大規模複雑人工物の統合シミュレーション環境構築」を設定し、計算科学と人工物工学の観点から、以下のような研究活動を行うと共に人工物工学教育へ人材育成の観点から講義等に協力するとともに、セミナー、ワークショップ等の活動を実施している。

「大規模複雑人工物の統合シミュレーション環境構築」の研究目的は、人工物のライフサイクルの中で計算科学がどのように過程横断的にかかわり、分野融合学を構築できるかを検討することに加え、原子炉などの大規模施設の構造や機能を計算科学手法により評価するための基盤技術を開発することにある。具体的には、材料特性評価のためのモデル構築および大規模な構造解析などを高速かつ効率的に行うためのミドルウェアの開発を行っている。

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