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デジタル価値工学研究部門


奥田洋司原 辰徳

【概要】

デジタル価値工学では人工物のバリューチェーンにかかわる様々な情報を「デジタル価値」として抽出・表現・蓄積・利用を行うための方法論や手法の研究を行っています。利用環境やニーズに迅速に対応できるためのデジタルコンテンツの表現手法やデータ管理手法、情報財のカスタム化手法、価値観のシミュレーションへの取り込み、などがその研究対象です。主たるテーマは、多様な環境やニーズに適応可能なデジタルコンテンツの表現手法やシステムアーキテクチャの研究、可視化情報の分析を支援するシステムの研究、利用履歴や利用者情報のデータから有用な情報を抽出し個別ニーズや利用環境を推測するための利用者モデリングやデータ・マイニング手法、デジタル価値創出のためのミドルウェア、価値の輸送モデリング、ハイエンドコンピューティングと創発アルゴリズムを援用した水素社会構築過程のシミュレーションの研究です。


これまでの研究成果

1)デジタル価値創出のためのミドルウェア(奥田)

人工物は、その内なる世界(設計・製造・評価)のみならず、人・社会・環境・歴史などとの関わりの中で、その価値を議論しなければならなりません。インターネットとコンピュータを情報インフラとして、あらゆる細かなニーズに応じた、機能の多チャンネル化したシミュレーションソフトの開発を可能にするのが、デジタル価値創出のためのミドルウェアです。従来の科学技術計算に加え、工学の恩恵を受ける立場からの「価値」を定量化(モデリング)し、シミュレーションの枠組みに取り入れるものです。具体的には、(1)行列を音に変換してその数値的性質を把握するためのアルゴリズムおよびWEBアプリケーションによるデータ収集システムの開発、(2)汎用的並列分散エージェントシステムの開発、が行われています。

2)ハイエンドコンピューティングと創発アルゴリズムを援用した水素社会構築過程のシミュレーション(奥田)

上記ミドルウェア((2)のエージェントシステム)の具体的なアプリケーションのひとつです。環境への配慮を価値観として考慮したうえで、電力系統と水素パイプラインによって二重化されたエネルギー・ネットワークのモデルを構築し、水素社会の構築過程(燃料電池の普及量、二酸化炭素排出量、化石燃料消費量など)をシミュレーションしています。従来型のシミュレーションに必要な基盤的数値解析技法、グリッドや地球シミュレータなどの高度計算機利用技術の開発に加え、価値観を有する「個(需要家)」の相互作用表現にはマルチエージェントを用い、個の内部ではエネルギ消費とコストを考慮した最適化計算が実施されています。

3)顧客参加による情報財のカスタム化に関する研究(原)

人工物の個別化・高付加価値化を図るひとつのポイントは、その設計や組立段階に顧客自身が参加できるようにすることです。観光産業を好題材として捉え、観光行動の類型データ、モジュール化技術、および対話的な設計支援技術を用いて、訪日旅行者に対する観 光旅行計画に係る情報財のカスタム化手法に取り組んでいます。

(Last updated on 16-November-2005)



デジタル価値創出のためのミドルウェアの図
■ハイエンド科学技術計算支援用ミドルウェア

デジタル価値創出のためのミドルウェアの図
■デジタル価値反映型シミュレーション用ミドルウェア

観光情報サービスのカスタム化
■訪日旅行者に知する観光旅行計画(商品)のカスタム化