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センター長ご挨拶

Prof.Koshizuka

越塚 誠一
東京大学人工物工学研究センター センター長

人工物工学研究センターは、1992年に設立され、初期の10年間は、設計工学科学、製造科学、知能科学の3部門の体制で運営されていました。2002年4月から本センターは第二期として体制を新たにし、ライフサイクル工学、サービス工学、デジタル価値工学、共創工学の4つの研究部門と客員研究部門が設置されました。2005年に4月には駒場Ⅱキャンパスから柏キャンパスに移転し、総合研究棟において新たなスタートをきりました。さらに、2005年12月には価値創成イニシアティブ(住友商事)寄付研究部門を設置し、本センターは研究体制のより一層の拡充を果たしました。第二期の10年間は4つの研究部門と3つの共通テーマである循環型社会の構築、新規産業分野の創出、個のケアが効果的に機能してきました。このように20年の歴史を経て、2013年4月から本センターは、新たに第三期を開始し、各部門は 社会の中の人工物工学研究部門 人工物と人との相互作用研究部門 の2部門に統合しました。

本センターは設立当初から、人工物がもたらす「現代の邪悪」の解決を目指すとともに、人間・人工物・環境の新たな関係の可能性を求めて、学問領域の細分化による弊害を無くし、従来の方法論にとらわれない取り組みを行ってきました。

国際的な観点からは、本センターと類似したスコープを有する研究組織が複数存在しますが、その多くは機械工学を基とした比較的狭い範囲でのモノづくりを指向しています。一方、人工物工学研究センターは、価値や共創までもスコープを入れた、広い観点からの人工物設計をターゲットとし、世界的にも稀有かつ貴重な組織と言えます。残された課題としては、脱領域化に改善の余地が残されており、更には脱物質化の成果との統合に至っていない点が挙げられます。

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本学におけるセンターの必要性という観点からは、大学と社会の緊密な関係の構築および持続的なアウトカムの生成が今後重要なミッションになると考えられます。この中で、研究者自らが社会連携も含めた実社会における行動・働きかけを積極的に起こすとともに、その中で得られた知見・情報を組織内に場として素早く循環させていく仕組みの促進が肝要で、大規模組織ではなく、比較的小規模な全学センターが担当することが望ましいと考えられます。

今後の第三期では、 2つの研究部門への再編成により、人工物の体系化と社会への適用に関して「動的に変動する個のモデリングに基づく人工物創成の社会技術化」を目指していきたいと思います。引き続きその設立目的に則り、人工物工学の概念と定義について国内外への一層の情報発信、進化、工学的アプローチと人文社会科学的分野との連携をめざし、教育研究を展開して行きたいと思います。さらに、各研究科との連携を深めると共に日本原子力研究開発機構システム計算科学センターなど各種公的機関や民間企業との共同研究を積極的に推進して、国際的連携を重視しながら活動していきます。

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