林原フォーラム「デザインの科学 −創ることと分かることの本質を探る−」

―持続可能社会構築と新たな社会的価値創出へ―

ワークショップ&公開コロキウム


2007年9月26日〜29日
於:京都・東京
   
開催趣旨
 何か新しいものを創るためには、何をどのように創るかが分かっていなければならない、といわれる。しかし、本当にそうだろうか。分からなくても創らなければならないことがあるし、創ることを通してしか分からないこともある。そもそも、人間が新規を創出することと、既存を理解することは、互いに深く関係しあっているのではないか。

 我々の周りには、複雑な、しかし秩序だった様々な存在物にみちあふれている。自然物の複雑な全体をどのように分析すればいいか、それが近代科学の問いかけであった。一方、様々な人工物は,それぞれの機能を果たすべく特有の構造を有しており、近代はそれを洗練した技術で具現化してきた。自然物については,既に存在している対象としての構造から出発して機能を解明するという,力学を中心としたアナリシスが有効とされてきた.これに対して,人工物では人間の目的や要求としての機能が先ず想定されて,それを実現する未知の構造を創出するという,いわば逆問題としてのシンセシスが本質である。

 ところが、我々が操作対象とする人工物,あるいは,我々自身がその構成要素になる社会、そしてそれらをとりまく環境、これら様々なシステムがますます複雑化し、かつ互いに孤立系でありえなくなった現在,環境負荷増大、大事故発生、情報爆発、制度破綻などの解決困難な問題を惹起している。このような状況で、デザインの本質を探ることは、現代が抱えている問題の所在を明らかにするとともに,人間・人工物・社会・環境の新たな発展を可能にする理論的根拠を与えるものとなろう。

 本国際会議では、世界的著名人と一線級研究者を招待して、ワークショップと公開コロキウム開催することにより、「持続性とデザイン」「芸術と認知」「経営と価値」に関して議論を深めるとともに、「創出」と「理解」という人間の本質行為の学としての、「デザインの科学」を論究し、持続可能社会構築と新たな社会的価値創出へ向けたメッセージの発信を目的としている。





東京大学130周年記念事業
共催:東京大学人工物工学研究センター・林原共済会・毎日新聞社